わたしが悲しかったこと
一時期仕事をしていたことがあった。ストレスと長期間の移動で、体重は見る間に落ちていった。
ダイエッットが成功したわけではないけれど、それなりに嬉しかった。
ある日スーパーの前で近所のおばさんに会った。
「随分痩せたわね。ダイエッットでもしたの?」
正直にに答えた。
「仕事をしていたら自然に痩せたんです。」
そういうとその人はこう言った。
「あなた、今までぬくぬくしていたのね。」
泣きたくなった。そして思った。この人は知らないんだ―――と。
その場は作り笑顔で流した。
けれどそれからは二度と会いたいとは思わなくなった。
ぬくぬくしていた。つまりその人にとって私はただの怠け者であり、
ニートだという認識だったのだと思う。
太ったのはゴロゴロしているからで、仕事もしない親のすねかじりだと思われていたのだろう。
薬の副作用に苦しんで・・・それを全く知らなかったのだろう。
そう思うと冷めた。
そしてもっとたくさんの人に精神障碍を知ってもらいたいと思った。

     水無月奏
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