クローバーの部屋
 私は、統合失調症です。 病気の症状が、悪かった頃を思い出すのは今でもとても辛いことなのですが、 その当時の自分と同じ症状の方などの希望になったり、病気の理解につながったらと思って体験を書きました。  約2年間、パートで働いていたのですが、仕事をやめたきっかけは、家にいたある日幻聴が何度も聞こえて、その事を何回否定しても「仕事を辞めろ!!」 とまた聞こえてくるのです。  そして、その事を本当に言われていると思い込んでしまい、仕事に行くのが こわくなってしまいました。母に職場へ電話してもらい仕事を辞めました。 今振り返ると病気の症状は、学生時代からあった気がします。 その当時の私は、すぐおこったり、コミュニケーションがうまくとれなかったからです。 平成17年9月頃、7年くらい前になりますが、作業所トントン (作業所時代)に初めて行きました。きっかけは、私が退職してから様子がおかしいと心配してくれた母に連れられて行きました。当時の所長さんに「いつ病気になったの?」と聞かれました。その当時の私は、「自分は病気じゃない!!」と思っていたのでいきなりおこってしまい、逃げるように家に帰ってしまいました。  その頃の私は、通院拒否や薬を飲んでいませんでした。 当時、通院していた心療内科の先生に、症状が悪化してからようやく私は、症状を言いました。  先生は、私の話をよく聞いてくれました。そして、「早く良くなるためには、入院するしかない」と言われました。「先生のことを信じよう」そう思えてようやく私は「病気なんだ!!早く良くなりたい!」そう思えました。  そう思えた当時の私に感謝しています。今の私がいるのは、当時の私のおかげだと思っています。  話はもどりますが、入院することを決意してもその病院には入院施設はなくて、平成17年11月に入院施設のある病院に両親と行きました。 先生に私は、「早く良くなりたい!!」と言いました。その日、ベッドが空いていたので「家に帰らずに入院しようね」と言われてすぐ入院しました。でも、病棟についたら後悔とさみしさがありました。幻聴と妄想がひどくて親と一緒に外出した時にも「他の人がうわさをしている」など自分が気にしていることをなんども言われているように聞こえて、とっても辛かったです。病院で退院していく人を見送りながら「自分もいつかは退院できるように」と思っていました。そして、約4か月後の平成18年3月にやっと退院することができました。退院してからびっくりしたのは、体力がおちてしまった事、気が付いたら幻聴と妄想がなくなっていた事です。  入院する前は、当たり前だった事が「こんなにも幸せなんだ」と気が付きました。 そして、1年間静養してから作業所トントンを見学して、2週間体験して作業所トントン(現トントン工房)へ入り、今年で5年目になりました。私は、自主製品でクロスステッチの作品を作っています。退院してから一年間、家で母がクロスステッチを教えてくれた事が今につながっている事に感謝しています。  私は、障がい者になってすべてを失ったそう思い悲しくなりました。でも少しづつ回復して来た時に「私にできるなにかをしたい」そう思ったとき、母が 支えになってくれました。ここまで良くなるまでには、私の友人や母の友人たちの支えがあったからです。  手芸店の人に、私が病気だということをうちあけて「本を見ながら作るのですが、売っても大丈夫ですか?」と聞いたら「大丈夫ですよ」と言っていただいています。  この病気になって私が変わったこと、それは人の前で話すのが苦手だったのですが、話せるようになったことです。トントンに入ってミーティングで意見をいえないと家に帰ってから悔しかったからです。  今の私の目標は、再発はした事がありませんが、症状が悪かった頃と同じ思いはしたくありません。なので再発はしない事、そしてこの病気になった事を前向きに考えて体験を話したり、作品を見ていただいた方たちにも病気への理解や希望を持っていただける人になりたいと思っています。  私は、薬のみで良くなるのではなく、「良くなりたい!!」と思う気持ちが大切だと思っています。これからも薬を忘れずに飲みながら、良くなると希望をもち、体調に気を付けていきたいと思っています。  最後まで読んでいただいてありがとうございます。    M・A
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